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葬儀費用の補助金5種類を比較|申請方法・必要書類・支給額を解説

村田 幸子 / 更新:2026-06-20
葬儀費用の補助金5種類を比較|申請方法・必要書類・支給額を解説
身内が亡くなって慌ただしい中、「葬儀費用の補助金って結局いくらもらえて、どうやって申請するの?」と困っていませんか。結論から言うと、葬儀費用に使える公的補助金は大きく分けて5種類。加入していた保険によって金額も窓口も違います。

私は葬儀社で12年、施行や費用説明の現場にいました。「申請を知らずに2年が過ぎて、もらえるはずのお金を取り逃した」という相談を何度も受けてきました。

この記事では、5種類の補助金の違いと支給額、必要書類、申請期限、つまずきやすい不支給ケースまで、実務目線で整理します。もらい忘れを防ぐために、自分がどれに当てはまるか先に確認してください。

葬儀費用でもらえる補助金の種類を比較

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まず全体像です。故人がどの公的医療保険に入っていたかで、申請する補助金が変わります。国民健康保険・後期高齢者医療制度なら「葬祭費」、会社員などの健康保険なら「埋葬料・埋葬費・家族埋葬料」。生活保護を受けていた方なら「葬祭扶助」です。

ここを取り違えると窓口違いで二度手間になります。最初の仕分けが肝心です。

葬祭費(国民健康保険・後期高齢者医療制度)

国民健康保険や後期高齢者医療制度の被保険者が亡くなったとき、葬儀を行った人に支給されるのが葬祭費です。

金額は市区町村ごとに決められていて、全国一律ではありません。申請先はお住まいの市区町村の窓口です。

埋葬料・埋葬費・家族埋葬料(健康保険)

会社員などが加入する健康保険(協会けんぽ等)では、埋葬料または埋葬費が対象です。原則5万円。

埋葬料は、亡くなった被保険者に生計を維持されていた家族に支給されます。生計維持の家族がいない場合は、実際に埋葬を行った人に、実費の範囲で上限5万円の埋葬費が支給されます。

被保険者の家族(被扶養者)が亡くなったときは、被保険者に家族埋葬料が支給されます。

葬祭扶助(生活保護)

生活保護を受けている人が亡くなった場合、葬祭扶助の対象になり得ます。根拠は生活保護法第18条です。

注意したいのは、葬祭扶助は現金がそのまま手に渡るのではなく、葬祭に必要な範囲の扶助だという点。そして原則として葬儀を行う前に申請が必要です。後から申請しても認められません。ここは現場でも一番のつまずきどころでした。

加入保険ごとの違いと支給額の早見比較

5種類を同じ観点で並べました。自分がどの行に当てはまるか確認してください。

葬儀費用の補助金5種類の比較
葬祭費の支給額は自治体ごとに異なるため金額は要確認。
補助金対象の保険受給できる人支給額申請先
葬祭費国民健康保険葬儀を行った人自治体ごとに異なる(要確認)市区町村
葬祭費後期高齢者医療制度葬儀を行った人自治体ごとに異なる(要確認)市区町村
埋葬料健康保険生計を維持されていた家族原則5万円加入先の保険者
埋葬費健康保険埋葬を行った人実費・上限5万円加入先の保険者
家族埋葬料健康保険被保険者原則5万円加入先の保険者
葬祭扶助生活保護葬儀を行う人必要な範囲の扶助福祉事務所

自治体・制度別の支給額と地域差

よく聞かれるのが「結局いくら?」という質問です。正直に言うと、葬祭費だけは一律の答えがありません。市区町村が条例で決めているからです。

自治体・制度別の支給額と地域差

だから「ネットで見た金額」をうのみにせず、必ず故人の住所地の自治体ページで確認してください。これが一番確実です。

国民健康保険の葬祭費の地域別支給例

国民健康保険の葬祭費は、葬儀を行った人に支給されます。金額は自治体差が大きく、一般に数万円台で運用されていますが、全国共通額はありません。

私の経験では、同じ県内でも市と隣町で金額が違うことがありました。具体的な数字は自治体公式で確認するのが鉄則です。

後期高齢者医療制度の支給額

後期高齢者医療制度でも、被保険者が亡くなったとき葬祭費が支給されます。

こちらも金額は運営する広域連合・自治体によって異なります。75歳以上の方が亡くなった場合は、国保ではなくこちらの窓口になる点に注意してください。

健康保険(協会けんぽ・組合)の支給額

健康保険の埋葬料・家族埋葬料は原則5万円。ここは全国共通でわかりやすいです。

埋葬費は実費で、上限が5万円。実際にかかった葬儀の費用が5万円未満なら、その実費分が上限になります。会社の健康保険組合によっては、独自の付加給付を上乗せしている場合があるので、加入先に確認する価値はあります。

補助金の申請手続きと必要書類

次は実際の手続きです。申請先は制度ごとに違います。葬祭費は市区町村、埋葬料・埋葬費は加入先の保険者、葬祭扶助は福祉事務所。

補助金の申請手続きと必要書類

必要書類も制度・自治体・保険者で変わりますが、共通して「申請書」「死亡や葬儀実施を確認できる書類」「振込口座情報」が求められます。

葬祭費の申請手順と必要書類

葬祭費は、市区町村の国民健康保険・後期高齢者医療の窓口で申請します。一般的な流れと書類は次の通りです。

葬祭費の申請に必要なもの(一般例)
自治体により異なるため、申請先公式での確認が必須。
項目内容
申請書各自治体の葬祭費支給申請書
故人の保険証国民健康保険証・後期高齢者医療被保険者証
葬儀を確認できる書類会葬礼状や葬儀社の領収書(喪主名の確認に使う)
申請者の本人確認書類運転免許証など
振込口座申請者(葬儀を行った人)名義の口座情報

会葬礼状や領収書は、喪主が誰かを示す書類として使われます。捨てずに保管しておいてください。

埋葬料・埋葬費・家族埋葬料の申請手順

健康保険の埋葬料(費)は、加入先の保険者(協会けんぽ・健康保険組合)へ申請します。

埋葬料支給申請書に加え、埋葬費を申請する場合は埋葬に要した費用の領収書など、実費を確認できる書類が必要です。勤務先を通じて手続きできるケースもあるので、まず会社の担当部署に聞くのが早道です。

葬祭扶助の申請手順

葬祭扶助は、葬儀を行う前に福祉事務所へ申請します。ここが他の補助金と決定的に違う点です。

葬儀を済ませてから「実は費用がない」と相談に来ても、原則は認められません。生活保護の担当ケースワーカーに、亡くなった直後すぐ連絡してください。

オンライン申請・郵送申請の可否と受給までの流れ

正直に言うと、オンライン申請への対応は自治体・保険者ごとにバラバラです。郵送を受け付けるところもあれば、窓口持参のみのところもあります。

だからこの記事で「全部オンラインでOK」とは書けません。申請前に、故人の住所地の自治体・加入保険者の公式案内で受付方法を確認してください。受給までの期間も窓口で目安を聞いておくと安心です。

誰がいつまでに申請できるか(受給者の要件と期限)

葬儀費用に給付金!?埋葬料と葬祭費の申請方法と支給時期を解説
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申請でつまずく原因の多くは「誰が申請するか」と「いつまでか」の2つです。

申請期限は原則2年。たった2年と思うかもしれませんが、相続や遺品整理に追われていると本当にあっという間です。

申請できる人(喪主・費用負担者)の要件

葬祭費は「葬儀を行った人」、つまり喪主や葬儀費用を負担した人が申請します。

埋葬料は、亡くなった被保険者に生計を維持されていた家族。埋葬費はその家族がいない場合に、実際に埋葬を行った人です。誰が受給者になるかは制度で決まっているので、自己判断せず窓口で確認してください。

申請期限は2年・起算日の考え方

葬祭費・埋葬料・埋葬費の申請期限は、原則2年です。

起算点が制度で違うのが要注意ポイント。国民健康保険の葬祭費は葬儀を行った日の翌日から2年、健康保険の埋葬料・埋葬費は死亡日の翌日から2年が基本です。

申請期限の起算日(2年の時効)
補助金起算日期限
葬祭費(国保)葬儀を行った日の翌日2年
埋葬料・埋葬費死亡日の翌日2年

世帯主が亡くなった場合の手続きへの影響

世帯主が亡くなると、葬祭費の申請以外にもやることが一気に増えます。

国民健康保険なら、残された家族の保険証の世帯主変更や、世帯主の変更届が必要になることがあります。補助金の申請ついでに、これらもまとめて市区町村窓口で確認すると効率的です。私はいつも喪主の方に「窓口では一度に全部聞いてください」と伝えていました。

申請でつまずかないための注意点と不支給ケース

ここが一番読んでほしいところです。要件を満たさず却下されたり、二重受給で返金を求められたり。せっかくの申請が無駄にならないよう、落とし穴を先に潰しておきます。

申請でつまずかないための注意点と不支給ケース

補助金がもらえない・却下されるケースと対処法

よくある不支給のパターンは3つ。期限の2年を過ぎた、申請者が要件を満たしていない、そして葬祭扶助を葬儀後に申請した、です。

対処は単純で、いずれも「早く動く」に尽きます。特に葬祭扶助は事前申請が絶対条件。迷ったら葬儀社や福祉事務所にすぐ相談してください。

保険資格の喪失手続きが必要

補助金の申請とセットで忘れがちなのが、故人の保険資格の喪失手続きです。

国民健康保険証や後期高齢者医療被保険者証は返却が必要です。会社員なら勤務先が手続きするケースが多いので、まず会社へ連絡を。これを放置すると、後々の手続きで引っかかることがあります。

他制度(高額療養費・遺族年金)との併用可否

葬儀の補助金と、高額療養費や遺族年金は目的が違う別制度です。それぞれの要件を満たせば、別々に受け取れます。

ただし注意したいのは、同じ葬儀について公的制度から二重に受給できない場合があること。葬祭費と埋葬料の両方を同じ葬儀で重ねて、という形は基本できません。加入していた保険制度を確認し、どれが対象かを見極めてください。

直葬・家族葬でも補助金は受け取れるか

「直葬や家族葬は対象外では?」と心配する方が多いですが、葬祭費は葬儀の規模で支給が決まるわけではありません。

故人が国民健康保険等の被保険者で、葬儀を行った人が申請すれば対象になり得ます。火葬のみの直葬でも、会葬礼状がなければ領収書など別の書類で喪主を証明できる場合があります。形式で諦めず、窓口で確認してください。

葬儀費用の税金対策と控除の使い方

補助金の話とあわせて知っておきたいのが、相続税での葬儀費用控除です。一定の葬儀費用は相続財産から差し引けます。

葬儀費用の税金対策と控除の使い方

ただし「何でも控除できる」わけではありません。対象になる費用とならない費用の線引きを押さえておきましょう。

相続税で控除できる葬儀費用・できない費用

一般に、火葬や埋葬、通夜・告別式など葬儀そのものにかかった費用は控除の対象になります。一方で、香典返しや初七日以降の法要、墓地・墓石の購入費用は対象外です。

葬儀費用の控除対象の目安
具体的な判断は税理士・税務署に確認を。
区分
控除できる通夜・告別式の費用、火葬・埋葬の費用、お布施・読経料
控除できない香典返しの費用、初七日など法要の費用、墓地・墓石の購入費用

控除額の計算例

考え方はシンプルです。相続財産の総額から、債務と葬儀費用を差し引いた額に対して相続税がかかります。

葬儀にかかった対象費用を漏れなく集計し、領収書やお布施のメモを残しておくと、控除を正しく受けられます。具体的な税額計算は、相続全体を見ないと出せないので税理士への確認が確実です。

補助金を受けた場合の扱い

葬祭費や埋葬料を受け取った場合、その扱いが気になりますよね。

細かい税務上の取り扱いは個別事情で変わるため、補助金を受けた前提で控除を計算するなら、税理士または税務署に確認してください。私は専門家ではないので、ここは断定せず「必ず確認を」とだけお伝えします。

申請を専門家に任せるという選択肢

遺族が受け取れる手続き(葬儀費用の補助金や、高額療養費の申請、年金の一時金など)
遺族が受け取れる手続き(葬儀費用の補助金や、高額療養費の申請、年金の一時金など)

葬儀直後はとにかく時間がありません。書類集めや窓口往復がしんどいなら、専門家に任せる手もあります。

ただ、葬祭費や埋葬料の申請自体はそれほど複雑ではありません。私の本音を言うと、多くの方は自分でできます。

代行サービスや行政書士に頼むメリット・デメリット

メリットは、書類作成や窓口対応を任せられて手間が減ること。相続や年金など他の手続きとまとめて依頼できる場合もあります。

デメリットは費用がかかること。補助金の額より報酬のほうが高くつくと、本末転倒になりかねません。ここはデメリットの比重が大きいと感じています。

こんな人は自分で、こんな人は依頼がおすすめ

自分で申請 vs 専門家に依頼
タイプおすすめ
時間があり書類集めができる自分で申請
葬祭費・埋葬料のみで内容がシンプル自分で申請
相続税申告や複雑な手続きも同時にある専門家に依頼を検討
遠方在住で窓口に行けない郵送可否を確認のうえ依頼も検討

補助金だけなら自分で。相続まで絡むなら専門家。これが私の基準です。

よくある質問(FAQ)と申請チェックリスト

最後に、現場でよく受けた質問と、申請前に確認したいチェックリストをまとめます。

よくある質問(FAQ)と申請チェックリスト

よくある質問

葬儀費用の補助金とは何か?
故人が加入していた公的医療保険などから、葬儀を行った人に支給されるお金です。国民健康保険・後期高齢者医療制度なら葬祭費、健康保険なら埋葬料・埋葬費・家族埋葬料、生活保護なら葬祭扶助があります。
いくらもらえるのか?
健康保険の埋葬料・家族埋葬料は原則5万円、埋葬費は実費で上限5万円です。葬祭費は市区町村ごとに金額が異なるため、故人の住所地の自治体公式で確認してください。
申請の始め方は?
まず故人がどの保険に入っていたかを確認します。国保・後期高齢なら市区町村、健康保険なら加入先の保険者、生活保護なら福祉事務所が窓口です。申請期限は原則2年なので早めに動きましょう。
直葬や家族葬でも補助金はもらえる?
葬祭費は葬儀の規模で支給が決まるわけではなく、被保険者の葬儀を行った人であれば対象になり得ます。喪主を証明できる書類を用意して窓口で確認してください。
申請前チェックリスト
確認項目チェックの観点
故人の加入保険国保/後期高齢/健康保険/生活保護のどれか
申請先市区町村/保険者/福祉事務所のどこか
申請期限原則2年・起算日を過ぎていないか
必要書類申請書・葬儀を確認できる書類・振込口座
申請者葬儀を行った人/生計維持の家族など要件を満たすか
保険資格喪失保険証の返却・喪失手続きは済んだか
葬祭扶助の場合葬儀前に申請したか(事前申請が必須)

まずは故人の保険証を1枚見つけることから。それが、あなたが申請すべき補助金を教えてくれます。今日のうちに、加入保険の確認だけでも済ませておいてください。

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村田 幸子

元葬儀社スタッフ(施行・接客担当) ・ 終活・葬儀費用専門ライター
葬儀業界勤務歴12年

葬儀社での勤務経験をもとに、費用の内訳や契約の落とし穴を実務目線で解説します。「後から知って後悔した」をなくすことを執筆の軸にしています。

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