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平均葬儀費用はいくら?形式別の相場比較と安く抑える方法

村田 幸子 / 更新:2026-06-20
平均葬儀費用はいくら?形式別の相場比較と安く抑える方法
「葬儀って結局いくらかかるの?」と調べると、100万円台前半から150万円超まで数字がバラバラで、余計に不安になる。私も葬儀社にいた頃、ご遺族から「ネットの数字が信じられない」と何度も言われました。

先に結論を言います。最新の鎌倉新書調査では葬儀費用の平均総額は約118.5万円。お布施を含めると約141万円、香典で相殺すると自己負担は約94万円が目安です。

この記事では、調査ごとに数字が違う理由、内訳、形式別の相場、給付金や香典で実質負担を減らす方法まで、元葬儀社スタッフの私が実務目線で整理します。

平均葬儀費用はいくら?調査データ別の相場と数値のばらつき

葬儀費用の平均はどれくらい?それホント!?【お葬式の教科書】
葬儀費用の平均はどれくらい?それホント!?【お葬式の教科書】

まず押さえてほしいのは「平均葬儀費用」と一口に言っても、調査主体・対象・含める費目で数字が変わるという事実です。代表的な3つの出典を並べます。

調査・出典別の平均葬儀費用
含める費目や調査年が異なるため、単純比較はできない。
出典平均額備考
鎌倉新書 第6回調査(2024年)約118.5万円お布施を含めると約141万円
経済産業省 特定サービス産業動態統計(2022年度)約115万円祭壇・人件費・飲食・返礼品等を含む
総務省 資料約120万円葬儀料一式+飲食代+火葬料、お布施除く

鎌倉新書・日本消費者協会など調査ごとの平均額の違い

鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」の平均総額は約118.5万円。2024年3月に実施され、過去2年以内に喪主等を経験した全国40歳以上の男女が対象です。

一方、経済産業省の動態統計では全国平均が約115万円。総務省の資料では「葬儀料一式+飲食代+火葬料」で約120万円とされています。どれも嘘ではなく、見ている範囲が違うだけです。

数値がばらつく理由と見方の注意点

ばらつきの正体はシンプルで、お布施を含むか・含まないかが大きい。鎌倉新書の118.5万円に、お布施平均22.9万円を足すと約141万円になります。

つまり「平均は約120万円」も「約141万円」も、同じ調査から出た別の切り口です。比較するときは、お布施・香典・火葬料が入っているかを必ず確認してください。

近年の費用推移と低価格化のトレンド

平均総額は前回の2022年調査の約111万円から約8万円増えて118.5万円になりました。実は下げ止まり、むしろ微増です。

ただし家族葬の構成比は50.0%まで上がっています。コロナ禍で広まった小規模化が定着し、「総額は上がったが、選ぶ形式は小さくなった」というのが現場の実感に近い。

葬儀費用の内訳を3つの項目で理解する

葬儀費用は大きく3つに分かれます。鎌倉新書調査の内訳は、葬儀一式75.7万円・飲食接待20.7万円・宗教者の謝礼22.9万円。この3本柱で見れば全体像がつかめます。

葬儀費用の内訳を3つの項目で理解する
葬儀費用の内訳(鎌倉新書 第6回調査)
費目平均額主な中身
葬儀一式費用75.7万円祭壇・棺・人件費・式場使用料・火葬料など
飲食接待費用20.7万円通夜振る舞い・精進落とし・返礼品
宗教者の謝礼(お布施)22.9万円読経料・戒名料・お車代など

葬儀一式の費用

葬儀一式は全体の6割を占める最大の塊です。祭壇、棺、安置、人件費、式場使用料、火葬料などがここに入ります。

火葬料は地域差が大きい。総務省資料では公営火葬場が0円〜5万円、民営火葬場が5万円〜10万円程度。東京都以外は公営がほとんどです。見積もりの火葬料が高いと感じたら、まずここを確認してください。

飲食接待・返礼品の費用

通夜振る舞いや精進落とし、会葬御礼の品がこの20.7万円。参列者の人数にほぼ比例して動く、唯一「数で読める」費目です。

逆に言えば、家族葬で参列を絞ると最も削りやすいのもここ。ただし削りすぎると後述の親族トラブルの火種になります。

寺院・宗教者にお渡しする費用

お布施の平均は22.9万円。これは読経料・戒名料・お車代を含んだ目安です。定価がなく、菩提寺との関係で大きく変わるのが悩ましいところ。

見積もり書には載らないことが多く、後から「これも要る」と気づきやすい費目です。菩提寺がない場合の相場は後半で扱います。

【形式別】葬儀費用の比較と選び方

自分の場合いくらかかるかは、選ぶ形式でほぼ決まります。鎌倉新書調査では家族葬50.0%、一般葬30.1%、一日葬10.2%、直葬・火葬式9.6%。直葬の平均は42.8万円です。

【形式別】葬儀費用の比較と選び方
形式別の特徴と向いている人
構成比は鎌倉新書 第6回調査。直葬の平均額42.8万円は同調査ベースのりそな銀行記事より。他形式の個別平均額は要確認。
形式構成比内容の特徴向いている人
一般葬30.1%通夜・葬儀・告別式を行い参列を広く受ける会社関係や近所付き合いが多い人
家族葬50.0%身内中心で小規模に行う参列を絞って静かに見送りたい人
一日葬10.2%通夜を省き1日で行う高齢の親族に負担をかけたくない人
直葬・火葬式9.6%(平均42.8万円)式を行わず火葬のみ費用を最優先で抑えたい人

一般葬の費用と向いている人

一般葬は参列者が多いぶん飲食接待・返礼品が膨らみますが、香典収入も増えます。費用が高い=損とは限らない。

故人の交友関係が広く、後日の弔問対応を避けたい場合は、私はむしろ一般葬を勧めます。

家族葬の費用と向いている人

今や半数が家族葬。参列を絞れる分、飲食と返礼品を抑えやすいのが利点です。

ただし香典収入も減るため、自己負担の比率は意外と下がりません。ここは誤解されがちな点です。

一日葬の費用と向いている人

通夜を省く一日葬は、式場使用料や通夜振る舞いを1日分カットできます。高齢の親族の負担も軽い。

ただし菩提寺によっては通夜の読経を省くことを嫌うケースがあります。事前に寺へ一報を。

直葬・火葬式の費用と向いている人

直葬の平均は42.8万円。式を行わず火葬のみで、費用は最も安い。

正直、安さは魅力ですが「お別れの時間がなかった」と後悔する遺族を私は何度も見てきました。費用だけで選ぶのは勧めません。

葬儀費用を安く抑える4つのポイント

【葬儀費用】どれぐらい⁉︎お葬式の平均的な相場とは?
【葬儀費用】どれぐらい⁉︎お葬式の平均的な相場とは?

抑え方には順番があります。効果が大きいのは形式の選択、次に飲食、そして葬儀社の比較。給付金は最後の上積みです。香典47.3万円を差し引けば自己負担の目安は約94万円まで下がります。

葬儀形式の変更と小規模化

最も効くのが形式の見直しです。一般葬から家族葬、家族葬から一日葬へ。式場使用料と飲食が連動して下がります。

ただし小さくしすぎて後で親族から不満が出るパターンは要注意。詳しくは後半の後悔事例で。

葬祭用品・飲食内容の見直し

祭壇のランクと棺のグレードは、葬儀社が最初に高めの提案をしがちな部分。ここを一段落とすだけで数万〜十数万円変わります。

飲食は人数に比例するので、参列人数を早めに固めるほど見積もりが正確になります。

葬儀社の事前比較と見積もり書の読み方

見積もり書は「一式」表記に注意。何が含まれ、何が別料金かを必ず確認してください。

私が現場で見たトラブルの多くは、ドライアイス追加・安置日数延長・搬送距離超過の追加料金です。下の項目は見積もり時に必ず聞いてください。

見積もりで追加料金が発生しやすい項目
項目確認ポイント
ドライアイス1日あたりの追加単価と日数の上限
ご遺体搬送基本距離と超過時の1kmあたり料金
安置料式までの日数が延びた場合の1日単価
火葬料公営か民営か、見積もりに含まれているか
返礼品・飲食会葬人数が増えた場合の精算方法

補助金・扶助制度の活用

健康保険からの埋葬料や国民健康保険の葬祭費は、申請すれば受け取れる給付金です。申請しないと1円も戻りません。次章で金額と手順を具体的に書きます。

葬儀費用は誰が支払う?負担先と支払い方法

支払いで揉めるのは費用そのものより「誰が・どの財布から」です。香典47.3万円を差し引いた自己負担約94万円を、誰が立て替えるかを先に決めておくと安心です。

葬儀費用は誰が支払う?負担先と支払い方法

喪主が負担する場合

実務上、最も多いのは喪主の立て替えです。葬儀社への支払いは式後1週間前後に来ることが多く、香典が手元にあっても不足分は喪主が一度かぶる形になります。

後で相続財産から精算するなら、領収書と香典の記録を必ず残してください。

故人の預貯金から支払う場合と仮払い制度の注意点

故人の口座は死亡が知られると凍結されます。相続人が勝手に全額引き出すと、遺産分割で「使い込み」と疑われる火種に。

そこで使えるのが預貯金の仮払い制度です。一定額までは他の相続人の同意なしに引き出せます。引き出した分は葬儀費用に充てた記録を残し、後の分割協議で精算しましょう。

互助会・葬儀保険から支払う場合

故人が互助会に積み立てていたり、葬儀保険に入っていれば、その範囲で費用を賄えます。

互助会は積立金だけで葬儀一式が完結しないことが多い点に注意。差額がいくら出るか、契約内容を確認してください。

事前見積もり・生前契約・葬儀ローンという選択肢

支払い方法は多様化しています。生前に契約して費用を確定させる、葬儀ローンで分割する、という選択肢も。

私の意見では、生前の事前見積もりが一番効く。慌てて契約しないだけで、追加料金トラブルの大半は防げます。

公的給付金で実質負担を減らす方法と申請手順

競合記事が薄いのがここ。給付金は黙っていてももらえません。香典で実質94万円まで下がった負担を、さらに削れる手段です。

公的給付金で実質負担を減らす方法と申請手順

健康保険の埋葬料・国民健康保険の葬祭費の金額

故人が会社の健康保険なら「埋葬料」、国民健康保険や後期高齢者医療なら「葬祭費」が給付されます。金額は加入制度や自治体で異なるため、正確な額は加入先での確認が必要です(要確認)。

申請先を取り違えると受け取れません。会社員だったか、自営・年金生活だったかで窓口が変わる、とまず覚えてください。

申請期限と必要書類

給付金には申請期限があります。期限を過ぎると権利が消えるため、葬儀後の手続きで後回しにしないこと。具体的な期限と書類は制度・自治体で違うので、葬儀直後に窓口へ確認してください(要確認)。

一般に求められるのは、葬儀の領収書、申請者の本人確認書類、振込口座などです。領収書は喪主名義で受け取っておくと申請がスムーズです。

香典収入で費用がどれだけ相殺できるか

見落とされがちですが、香典は立派な収入です。鎌倉新書調査ベースの香典平均は47.3万円。

平均総額141万円から香典47.3万円を引くと、自己負担の目安は約94万円。つまり額面の総額だけ見て怖がる必要はありません。

香典による自己負担の相殺シミュレーション
鎌倉新書調査ベースの平均値を用いた単純計算。香典額は参列者数で変動する。
項目金額
葬儀総額(お布施含む)約141万円
香典収入(平均)約47.3万円
差引・自己負担の目安約94万円

知っておきたい税金・地域差・トラブル回避の実務

お葬式にかかる費用を抑える方法【最低費用も解説】
お葬式にかかる費用を抑える方法【最低費用も解説】

最後に、数字には出にくいけれど後で効く実務をまとめます。税金、地域差、菩提寺なしのお布施、そして後悔事例。経産省統計の全国平均約115万円も、地域で動きます。

相続税の控除・経費計上の取り扱い

葬儀費用は相続税の計算で、相続財産から差し引ける債務控除の対象になります。だから領収書の保管が大事。

ただし香典返しや初七日以降の法要費用など、対象外のものもあります。線引きは税理士に確認するのが確実です。

都道府県別の費用相場の違い

火葬料の地域差が分かりやすい例です。総務省資料では公営火葬場が0円〜5万円、民営が5万円〜10万円程度。東京都以外は公営がほとんどという指摘もあります。

つまり民営中心の都市部は火葬料だけで数万円高くなりやすい。同じ形式でも住む地域で総額が変わります。

菩提寺がない場合のお布施相場と僧侶手配サービス

お布施の平均は22.9万円ですが、これは菩提寺がある前提に近い。菩提寺がない場合は、僧侶手配サービスを使う選択肢があります。

手配サービスは料金が定額表示で、戒名のランク別に明示されることが多い。金額が読めない不安は減りますが、菩提寺がある人が無断で使うと納骨を断られることがあります。ここは慎重に。

費用を抑えて後悔した事例とその対策

現場でよく見たのが、本人だけで直葬を決め、後から「お別れもできなかった」と兄弟が怒るケース。費用は安く済んでも、関係に傷が残ります。

対策はひとつ。形式を小さくするほど、決める前に主要な親族へ一報を入れる。これだけで揉め事の大半は防げます。

平均葬儀費用に関するよくある質問

最後に、相談現場で実際に多かった3つの質問へ、数字を添えて答えます。

平均葬儀費用に関するよくある質問

よくある質問

平均葬儀費用とは何を指す?
通夜・葬儀・火葬までの葬儀一式に、飲食接待やお布施を加えた総額を指すことが多いです。鎌倉新書 第6回調査では平均118.5万円、お布施を含めると約141万円。調査によってお布施や香典を含むかが違うため、数字が前後します。
結局いくら準備すればよい?
平均総額は約141万円ですが、香典平均47.3万円を差し引くと自己負担の目安は約94万円です。直葬なら平均42.8万円まで下がります。形式と参列人数で大きく変わるので、まず形式を決めて見積もりを取るのが近道です。
費用を抑える準備は何から始める?
複数の葬儀社で事前見積もりを取り、一式に何が含まれるかを比べることから始めてください。あわせて埋葬料・葬祭費などの給付金の申請先を確認しておくと、いざという時に慌てません。

まず1社でいいので、事前見積もりを取ってみてください。数字が手元にあるだけで、不安はぐっと小さくなります。

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村田 幸子

元葬儀社スタッフ(施行・接客担当) ・ 終活・葬儀費用専門ライター
葬儀業界勤務歴12年

葬儀社での勤務経験をもとに、費用の内訳や契約の落とし穴を実務目線で解説します。「後から知って後悔した」をなくすことを執筆の軸にしています。

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